コラム・7月号(第201回)/ Dr.大西 康友【二期会歯科クリニック・札幌市中央区】
2024年 07月 01日
~新たな矯正装置:歯列遠心移動装置
「CARRIERE MOTION(カリエールモーション)」の成果~
矯正科の大西です。今回はDr. LUIS CARRIEREが開発した矯正装置「カリエールモーション」についてお伝えします。
【カリエールモーションとは?】
カリエールモーションとはブラケットやアライナー治療の前準備として使用する装置です。
大臼歯(奥歯)や犬歯の位置関係が悪いまま、ブラケットやアライナー治療を開始すると治療期間が長期に渡ることが分かっております。そこで「カリエールモーション」を全ての歯を動かす前に犬歯から奥歯までを正しい位置関係にすることで効率的な治療が可能になります。
装置は非常にシンプルなデザインで装着後の違和感も少なく、特筆すべきは治療期間を短縮させ得ることにあります。
この装置の利点はまだあります。
・目立ちにくいこと。
・抜歯を減らす可能性が高くなる。
・ヘッドギアを使わずに済む可能性が高くなる。
・インプラントアンカーを使わずに済む可能性が高くなる。
【カリエール先生のサジタルファーストフィロソフィー】
矯正治療において、難しいとされる奥歯の前後的関係を最初に解決することで治療期間の短縮を目指す考えです。
1ヶ月に約1mmほどの改善が目安となりますが、患者さんの症状によって異なります。また、上下にかけるゴムの力を利用して動かしていますので、このゴムを使用する協力度によってその期間が左右されます。装着期間は3~6ヶ月程度、毎日20時間ほどの使用を見込みです。
以下に症例(抜粋)をご紹介します。
出っ歯を治したい患者さんです。
上顎にカリエールモーションを装着し、下顎の第一大臼歯にはチューブを装着。更にマウスピースを使用することで下の歯並びを一纏めにします。
※この時、ブラケット装置を選択する場合もあります。
カリエールエラスティック(ゴム)を使用し、3か月経過の状態。
後戻り対策のためオーバーめに動かしています。
カリエールモーションを撤去し、ブラケットとワイヤーを装着し、4か月経過の状態。
治療終了時。臼歯と犬歯の咬合関係がⅠ級に仕上がり、緊密な咬合が得られています。
【治療情報(当医院での目安)】
10代 女性
●主訴:前歯が出ているのを治したい。
●治療ついて:抜歯は行わず治療、上顎前歯を後退させる為、上顎歯列を後方移動させる
●注意点・リスク:矯正治療中に顎の位置が不安定になり易く顎関節症を発症する可能性が高くなります。また、歯牙移動に伴う痛み、発音し難くなったり、咬み難さが生じます。可能性は低いですが、歯茎が退縮して歯がしみて痛くなることがあります。
●治療期間…1年2ヶ月
●治療費用…¥814,000(税込みの価格、検査料と診断料で¥44,000を含みます)
●治療に用いた主な装置…マルチブラケット装置、カリエールモーション
●抜歯部位…非抜歯(将来的に智歯は抜歯)
●通院回数…13回
治療は一例であり、全ての患者さんが適応し、同じ結果が得られるわけではありません。精密な検査と十分な分析をして、効果が得られると判断した上で使用いたします。
二期会 矯正歯科では抜歯を極力避け、かつ治療期間の短縮化を目指していきたいと思っております。ご興味のある患者さんは一度、是非ご相談ください。
▽総合的な治療が可能な歯科医院です
医療法人 二期会歯科クリニック / 矯正歯科 小児歯科 歯科口腔外科 審美歯科
札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F TEL:011-251-2220
公式ウエブサイトURL http://www.nikikai.com/
by nikikai_sapporo
| 2024-07-01 00:05
| Dr.大西 康友