コラム・4月号(第174回)/ Dr.森本 光一【二期会歯科クリニック・札幌市中央区】
2022年 04月 03日
「鮃と鰈」
今回は森本が担当いたしますのでよろしくお願いいたします。
以前なら肉と魚のどっちを食べるかと言われれば迷わず『肉!』と答えていた私ですが、
最近は歳のせいか魚もいいなと思うことも多くなってきました。
昨日も晩御飯のメニューをどうしょうと食材を調達に行ったのですが、なんだか無性に魚の煮付けが食べたくなってクロガレイを買ってしまいました。
そこでふと思ったのですが、『カレイの煮つけ、ヒラメの刺身』はよく聞くけどその逆はあまり聞かないということです。
姿形の良く似たこの二種の魚ですが調べてみると意外と違いがある事がわかりました。
まず、ヒラメとカレイの見分け方ですが、学術的にはどちらもカレイ亜目に属するのでぱっと見では難しいです。
日本では俗に『左ヒラメに右カレイ』と言われており、腹を手前にして魚を置いた時に、頭が左側を向くのがヒラメ、右を向くのがカレイだとされています。
カレイもヒラメも産まれた直後は他の魚と同じように目が体の両側にあるのですが、成長に伴って徐々に片側に偏って行ってお馴染みの形態へと変化してゆくのです。
ただこの法則に当てはまらないものもわずかですが存在するので、もっと確実に判別する方法をお教えしましょう。
それは口の形です。これは両者の食性の違いによるものです。
ヒラメはどう猛なハンターで、海底に身を潜め、小魚が近くに来た瞬間に襲いかかって捕食するのです。そのため口は大きく、鋭い牙が両顎に並んでおります。
一方カレイはおとなしく、海底を這い回って砂の中のゴカイやイソメなどの小動物を捕食するのでおちょぼ口で歯はあまり発達しておりません。
これらの食性の違いからヒラメは身が引き締まっており、刺身や寿司といった生食に向いており、カレイは身が柔らかくふっくらしているため、煮付けやフライに向いていると言われております。
一般的にヒラメは高級魚で、カレイは大衆魚と言われており、これは両者の漁獲量によるところが大きいと思われます。
2019年度の漁獲量を比べてみると、ヒラメが6920トンなのに対してカレイは41356トンあります。
体の大きさは多くの種類でヒラメの方がカレイより大きいと言われており、江戸時代までは大きさだけで両者を区別していたとの話もあります。ただし例外があり、オヒョウというカレイの一種は体長3m、体重300kgにもなります。
海水温の変化のせいか、北海道でもサンマやスルメイカの記録的な不漁が問題となっております。そのかわりブリやカツオが獲れるようになってきたりと色々と課題はありそうではありますが、これからも美味しい海産物を食べたいものです。
そんなわけで今宵は生姜を効かせた鰈の煮付けを肴に辛口の日本酒の熱燗をを頂きたいと思います。(ちょっと煮込み過ぎてしまったけど・・・)
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by nikikai_sapporo
| 2022-04-03 13:50
| Dr.森本 光一