コラム・3月号(第125回)/ Dr.大西康友 【二期会歯科クリニック・札幌市中央区】
2018年 03月 01日
今回は「新型の矯正装置」についてご紹介したいと思います。
さて、矯正治療の装置のイメージというと
こんな感じかと思います。
このブラケット装置は代表的な矯正装置です。
こんなガタガタでも‥、
装置を付けて‥、
このようにガタガタを綺麗にすることができる優れた装置です。
しかし、歯に装置を接着するため、「目立つ」「唇や舌が傷つく」「ワイヤーで締められて痛い」などといった問題点があります。
特に歯の交換期(主に小学生の時期)における治療ではお子さんが多感な時期だけに装置を付けたくない子が多いと思います。
そこで今回は、歯に接着しない装置「マルチファミリー」をご紹介いたします。
この装着はマウスピース様のもので、柔らかいシリコン素材ですので、従来のプラスチック性の装置より違和感、痛みが少ないです。
また、患者さんの年齢(主な使用時期は5才〜13才)、噛み合わせの状態、口の大きさに合わせて選ぶことができ(その数40種類以上)、より装置がフィットすると思います。
原則、毎日寝る際使用していただくこと(理想は半日ほど)で徐々に歯が移動します。そのため、装置を使わないと全く効果が無いのも特徴です。
では、実際の症例をご覧ください。
ガタガタと上顎前突の患者さん
「歯に接着する装置は避けてほしい」という希望もありました。
マルチファミリーを使用してから半年後の歯並びです。
深い咬み合わせも改善され、上下の歯列の幅も広がっています。
更に半年後、前歯のガタガタはほぼ無くなり、満足していただいております。
今後は徐々に使用頻度を減らしながら、奥歯もしっかり咬ませたいと思っています。
上記の患者さんは歯に一切接着する装置を使わずに歯をおおよそ並べることができました。しかし、この装置は万能ではなく、適応症やサイズ選択、治療時期を見誤るとかえって悪くなりますし、これのみで完全な歯並びを作るのは困難です。あくまでも矯正治療(歯の交換期における治療)の一助であることをご了承ください。
勧められた「矯正治療法」「矯正装置」に関するお悩みがありましたら、お気軽に当院矯正科へご相談ください。
by nikikai_sapporo
| 2018-03-01 11:44
| Dr.大西 康友