コラム・11月号(第49回)/Dr.大西康友 【二期会歯科クリニック・札幌市中央区】
2011年 11月 08日
「北風と太陽」
10月は、和歌山で大学時代の吹奏楽部OB懇親会があったり、名古屋で日本矯正歯科学会があったりと、大変忙しい月でした。
和歌山を訪れたのは私自身初めてで、和歌山城などを観光しました。そして懇親会では10年ぶりに会う人もいて、懐かしさに浸りました。名古屋の学会では、私が大学院時代に韓国から留学されていた先生(現在は韓国で矯正歯科医院を開業されています)に6年ぶりに会えて、短い時間でしたが楽しい時を過ごしました。
さて、懇親会で訪れた和歌山のお話。和歌山と言えば、「みかん」「梅」というイメージが一般的だと思いますが、私は「雑賀孫市」なんですね。(笑)
「雑賀孫市」は戦国時代に活躍した紀伊(現・和歌山県と三重県南部)の国人で、鉄砲傭兵集団雑賀衆の有力者。司馬遼太郎 著の『尻啖え孫市』で、群雄割拠する戦国時代において、どの勢力にも属さず紀伊国を拠点に孫市を盟主と仰ぐ無敵の鉄砲集団が各地で暴れまくり、織田信長の軍勢を何度も打ち負かす姿、そして戦国期が終わろうとしている中、自身の意地を貫く姿に男気を感じたものでした。
懇親会を終え、和歌山から戻った後、何気にその雑賀孫市について調べてみると、「雑賀孫市」という名は雑賀衆の棟梁として代々継承する名前で、本来の姓は鈴木。この鈴木という姓は熊野本宮出身で名字を持つことを許された武家の中で、熊野本宮への信仰心が深い武家に与えられたそうです。そんな由緒正しい姓を冠する雑賀衆鈴木氏の家紋は八咫烏(やたがらす)という神の使い(太陽神の使い)とされる三本の足を持つ烏(からす)なのだそうです。
この八咫烏を見て、ハッと思い出したのが朝鮮における「高句麗」建国神話に登場するシンボルです。
何故、ここで高句麗が出てくるかというと、昨年、私は韓国ドラマ「朱蒙(チュモン)」にハマって(遅いけど…)一気に見てしまい、朝鮮三国時代好きになってしまった経緯があるからです。因に、このドラマは紀元前80年頃、古代国家古朝鮮の失地を漢から奪回するため、臆病で無能だった朱蒙が数々の試練を乗り越えて成長し、漢との壮絶な戦を勝ち抜き、高句麗の初代大王として歴史にその名を残すまでの軌跡を描いたものです。その朱蒙が建国前に軍事組織を作るのですが、そのシンボルとして三本の足を持つ烏、三足烏(さんそくからす)を掲げるのです。この三足烏は日本の八咫烏と同一視されているそうで、この神秘的な三本足の烏を通して日本と高句麗(朝鮮)の共通点を知った時、朝鮮に対して親しみを感じました。
話は変わって、今回のお題、「北風と太陽」は何に掛かってくるのかと言いますと、先日、実家で自分の荷物を整理していたら、懐かしいCDが出てきました。久保田利伸の「KUBOJAH」というアルバムです。その中に「北風と太陽 (Bro.HUSSEIN & Bro.BUSH)」という曲が入っています。この曲は当時、アメリカのブッシュ(前大統領のお父さん)とイラクのフセインが起こした第一次湾岸戦争に対する反戦歌として、久保田自身の持ち歌「北風と太陽」の歌詞を変えて収録したものです。
歌詞に“ 誰のせいで人が泣く へんな男のromance ”、“ Bro.HUSSEIN と Bro.BUSH と勝負など捨てて ”とか、 “ 一番好きなlove song 覚えた時を 思い出してよ brothers… ”とか、メッセージ性が高く、それでいてウザくない、洒落た反戦歌で好きだったことを思い出しました。それと同時に長年、緊張状態に有る朝鮮半島がだぶりました。
北朝鮮に対して韓国が採る“ 太陽政策 ” 、それに対して日本やアメリカが推進する経済制裁などの“ 北風政策 ” 、その各国の思惑が大きな問題に発展するのではと危惧する人達が新たな「北風と太陽」ができることを願っているとかいないとか…。
更に、北朝鮮だけでなく日本と韓国との関係についても国益を巡って政治・経済はもとより芸能界にまで大きく波紋が広がっているのを見ると心苦しい限りです。
そんな事はよそに名古屋で再会した韓国で活躍されている先生と楽しく話をしたことを思い返すと、自国も含め各国 “ 勝負なんか捨てて ” 欲しいと願いつつ、国境を越えてずっと友好を暖めたいと思う今日この頃です。
▽総合的な治療が可能な歯科医院です
医療法人 二期会歯科クリニック / 矯正歯科 小児歯科 歯科口腔外科 審美歯科
札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F TEL:011-251-222
10月は、和歌山で大学時代の吹奏楽部OB懇親会があったり、名古屋で日本矯正歯科学会があったりと、大変忙しい月でした。
和歌山を訪れたのは私自身初めてで、和歌山城などを観光しました。そして懇親会では10年ぶりに会う人もいて、懐かしさに浸りました。名古屋の学会では、私が大学院時代に韓国から留学されていた先生(現在は韓国で矯正歯科医院を開業されています)に6年ぶりに会えて、短い時間でしたが楽しい時を過ごしました。
さて、懇親会で訪れた和歌山のお話。和歌山と言えば、「みかん」「梅」というイメージが一般的だと思いますが、私は「雑賀孫市」なんですね。(笑)
「雑賀孫市」は戦国時代に活躍した紀伊(現・和歌山県と三重県南部)の国人で、鉄砲傭兵集団雑賀衆の有力者。司馬遼太郎 著の『尻啖え孫市』で、群雄割拠する戦国時代において、どの勢力にも属さず紀伊国を拠点に孫市を盟主と仰ぐ無敵の鉄砲集団が各地で暴れまくり、織田信長の軍勢を何度も打ち負かす姿、そして戦国期が終わろうとしている中、自身の意地を貫く姿に男気を感じたものでした。
懇親会を終え、和歌山から戻った後、何気にその雑賀孫市について調べてみると、「雑賀孫市」という名は雑賀衆の棟梁として代々継承する名前で、本来の姓は鈴木。この鈴木という姓は熊野本宮出身で名字を持つことを許された武家の中で、熊野本宮への信仰心が深い武家に与えられたそうです。そんな由緒正しい姓を冠する雑賀衆鈴木氏の家紋は八咫烏(やたがらす)という神の使い(太陽神の使い)とされる三本の足を持つ烏(からす)なのだそうです。
この八咫烏を見て、ハッと思い出したのが朝鮮における「高句麗」建国神話に登場するシンボルです。
何故、ここで高句麗が出てくるかというと、昨年、私は韓国ドラマ「朱蒙(チュモン)」にハマって(遅いけど…)一気に見てしまい、朝鮮三国時代好きになってしまった経緯があるからです。因に、このドラマは紀元前80年頃、古代国家古朝鮮の失地を漢から奪回するため、臆病で無能だった朱蒙が数々の試練を乗り越えて成長し、漢との壮絶な戦を勝ち抜き、高句麗の初代大王として歴史にその名を残すまでの軌跡を描いたものです。その朱蒙が建国前に軍事組織を作るのですが、そのシンボルとして三本の足を持つ烏、三足烏(さんそくからす)を掲げるのです。この三足烏は日本の八咫烏と同一視されているそうで、この神秘的な三本足の烏を通して日本と高句麗(朝鮮)の共通点を知った時、朝鮮に対して親しみを感じました。
話は変わって、今回のお題、「北風と太陽」は何に掛かってくるのかと言いますと、先日、実家で自分の荷物を整理していたら、懐かしいCDが出てきました。久保田利伸の「KUBOJAH」というアルバムです。その中に「北風と太陽 (Bro.HUSSEIN & Bro.BUSH)」という曲が入っています。この曲は当時、アメリカのブッシュ(前大統領のお父さん)とイラクのフセインが起こした第一次湾岸戦争に対する反戦歌として、久保田自身の持ち歌「北風と太陽」の歌詞を変えて収録したものです。
歌詞に“ 誰のせいで人が泣く へんな男のromance ”、“ Bro.HUSSEIN と Bro.BUSH と勝負など捨てて ”とか、 “ 一番好きなlove song 覚えた時を 思い出してよ brothers… ”とか、メッセージ性が高く、それでいてウザくない、洒落た反戦歌で好きだったことを思い出しました。それと同時に長年、緊張状態に有る朝鮮半島がだぶりました。
北朝鮮に対して韓国が採る“ 太陽政策 ” 、それに対して日本やアメリカが推進する経済制裁などの“ 北風政策 ” 、その各国の思惑が大きな問題に発展するのではと危惧する人達が新たな「北風と太陽」ができることを願っているとかいないとか…。
更に、北朝鮮だけでなく日本と韓国との関係についても国益を巡って政治・経済はもとより芸能界にまで大きく波紋が広がっているのを見ると心苦しい限りです。
そんな事はよそに名古屋で再会した韓国で活躍されている先生と楽しく話をしたことを思い返すと、自国も含め各国 “ 勝負なんか捨てて ” 欲しいと願いつつ、国境を越えてずっと友好を暖めたいと思う今日この頃です。
▽総合的な治療が可能な歯科医院です
医療法人 二期会歯科クリニック / 矯正歯科 小児歯科 歯科口腔外科 審美歯科
札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F TEL:011-251-222
by nikikai_sapporo
| 2011-11-08 07:30
| Dr.大西 康友