歯科医師が綴るコラム集やお知らせなど【二期会歯科クリニック】札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F/TEL:011-251-2220


by nikikai_sapporo

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〜顎変形症の治療(外科的矯正治療)のご紹介、上顎前突編〜

今回も矯正治療について書きます。

 当院矯正科では歯並びはもちろんですが、顔貌を気にされて受診する患者さんが年々増えています。
 顔貌の問題には様々あり、例えば下顎前突(受け口)、上顎前突(出っ歯)、顔面の非対称(顔や顎の歪み)などが挙げられますが、その中でも特に上顎骨(上あご)、下顎骨(下あご)のどちらか、または両方の骨格的な位置や形に問題があることで顔貌の変形や咬み合わせの異常を認める状態を顎変形症と呼びます。

 上下顎骨それぞれの前後、上下、左右の位置関係が極端にズレているとマルチブラケットによる矯正治療(歯に接着させたブラケットに針金(ワイヤー)を通して歯を動かす治療)だけでは十分な咬み合わせを作れない場合があります。
その際に治療の選択肢として挙げられるのが外科的矯正治療です。

 外科的矯正治療(外科手術+矯正)をすることで骨格的なズレを改善しつつ、歯並び、咬み合わせを確立します。この治療は全て口腔内で行う手術ですので顔面に傷が残ることはありません。それだけに高度な治療になりますので口腔外科医、補綴科医(咬み合わせの専門医)との連携が大切になります。歯列矯正についての説明は当院で行いますが、外科手術に関する説明は口腔外科医から行います。

 最近の傾向では下顎前突と同じ位、上顎前突の患者さんが増えてきています。
特に下顎が後退していることを気になさっている方が多いと思います。

では実際に下顎が後退し、口元が突出している患者さんの症例を通して治療の流れをお見せします。
初診時の顔の写真です。

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口腔内の写真です。

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顔のX線分析です。

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当院では下図のように術後顔貌をシュミレーションし、患者さんに見て頂きます。 

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 赤い線が治療後の予測です。 


治療方針に同意して頂いて治療を開始します。

ちなみに顎変形症治療の流れは…

    矯正治療の検査、診断
      ↓
    術前矯正(1年〜2年)
      ↓
    病院で外科手術+入院(2週間前後)
      ↓
    術後矯正(半年〜1年)
      ↓
    ブラケットを全て外して保定期間へ
        (後戻りを防ぎ、歯並び、咬み合わせを安定させる)

となっています。保定までの合計の治療期間は2年〜3年です。

手術前の矯正治療中の写真です。

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治療開始から2年弱で手術を行える状態になりました。

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手術後(入院期間は2週間程)、程なくして矯正治療を再開始し緊密な咬合を作っていきます。

治療後(治療期間:2年8か月)の顔の写真です。

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初めに比べると大きく顔貌が改善しました。
口腔内の写真です。

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 このように外科的矯正治療は骨格的に問題のある患者さんの咬み合わせのみならず、顔貌も大きく改善することができます。
 10数年前に比べると現在では治療期間が短くなり、早い方では1年半程で終了します。治療方法も確立されて安全かつ長期にわたって顎の位置、咬み合わせが安定するようになりました。
 咬み合わせだけではなく顔貌に関してもお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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by nikikai_sapporo | 2016-04-28 09:33 | Dr.大西 康友
「歯科と漢方薬」

 立効散 、半夏潟心湯、 黄連湯 、菌疎高湯、 五苓散 、自虎加人参湯 、排膿散及湯、、、

 どこかのお経のようなもので始まりましたが、今回は歯科と漢方薬についてです。

 「歯医者さんで、漢方薬?」と、ややピンとこないかもしれませんね。それもそのはず、歯科で漢方薬が保険適応になったのはほんの数年前からなのです。お医者さんでは、約8割の先生が漢方薬を日常的に処方していると言われていますので、処方してもらった経験がある方も多いのではないでしょうか?

 さて、そんな漢方薬ですが、歯医者さんでいったい何に使うのでしょうか?

 その前に漢方薬について一般的なお話をしましょう。

 漢方薬というのは、主に慢性的な病気や症状に対して使われます。慢性的な病気や症状というと、例えば高血圧や糖尿病、アレルギー性鼻炎や便秘等々です。これらは悪いところを取ったり、怪我したところを治療したりといった比較的短期間でよくなるものとは違い、体質や生活習慣などと深く関係し、治癒や寛解するのに時間がかかる病気です。漢方薬はそういった病気や症状に対して、症状を改善したり病気になりにくい体質にしていく助けとなるお薬なのです。

 歯医者さんというと虫歯を削ったり、痛い歯を抜いたりという、いわゆる外科的なものが皆さんのイメージだと思います。その通り、通常行う歯医者さんの治療というのは「腫れた、痛い」といった急性の病気に対する治療というのが多くを占めています。体質などとはあまり関係のない病気です。

しかし、口の中の病気や症状にも削ったり、取ったりではなかなか良くならないものや内科的なものもあります。代表的なものでは、唾液の分泌が少なくなる「口腔乾燥症」があります。唾液には粘膜を保護したり、虫歯や歯周病の元となる細菌の繁殖を抑える他、口の中を正常に保つための色々な作用があります。唾液が少なくなると虫歯ができやすくなったり、入れ歯をいくら合わせても痛くて使えなかったり、といった様々な悪影響が生じます。

 この口腔乾燥症を引き起こす原因は様々です。唾液を出す唾液腺に腫瘍があったり、石ができていたり、放射線治療の影響などでも口腔乾燥は引き起こされます。特定の原因が明らかな場合はその原因の治療が第一となりますが、特定の原因が無いのに口が渇く、という場合もあります。この様な特定の原因のない体質的なもの、加齢によるものに漢方薬が効果を発揮することがあると言われています。

 さて、冒頭の難しい漢字列。この7つが現在歯科で保険適応になっている漢方薬です。口腔乾燥症の他、口内炎、歯周病、歯の痛みに対して処方が許可されています。

 漢方薬は同じ症状や病気でもその人の体質や現在の身体の調子などを考慮して異なる薬が選択されることがあります。その人に合わない漢方薬を服用すると効果がでない、あるいは逆効果になる場合もあります。しかし、他の薬と比べると副作用が極めて少ないと言われており、持病のある方でも比較的安心して服用することができます。

 さてここまでお話をしてきましたが、保険適応になってから日が浅いということもあり、当院でも現在は漢方薬を処方する体制が未だ整っていません。今後、検討を重ね体制を整えていければと考えております。院内では勉強会等も行なっておりますので、お気軽に問い合わせください。

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by nikikai_sapporo | 2016-04-01 00:18 | Dr.木下 篤