歯科医師が綴るコラム集やお知らせなど【二期会歯科クリニック】札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F/TEL:011-251-2220


by nikikai_sapporo

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「味」のはなし 

 今月は、初めて池田が担当させてもらいます。

 さて何について書こうかと迷った結果、初回ということで、歯科医師らしく(!?)食に関するテーマでいこうと思います。

 そんな訳で、テーマは「味」についてです。
 最近、「味のなんでも小事典」なる本を読んだので、僕自身が知らなかったこと、興味をもった点などの感想をまじえつつ、書いていこうと思います。

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 最初は、味に関する基本からです。

 味には基本5味があります。
 5味とは、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味です。
 そのなかで旨味のもとは、日本人の池田菊苗により、1908年に「だし昆布」からグルタミン酸として最初に発見されました。その後、「鰹節」からイノシン酸、「椎茸」からグアニル酸が旨味成分であると次々に確認され、1980年代になって、ようやく旨味は世界に味の基本5味の1つであると認められたのです。今では、「UMAMI」と学術用語にもなっています。

 2013年12月4日、ユネスコにより「和食」は世界無形文化遺産に登録することが認められたのは、記憶に新しいですよね。これも和食が伝統的で、季節感を表現しているなどの面に加え、最大の特徴である新鮮な素材を引き立てる「だし」の存在が、その登録に大きく貢献したのではないでしょうか。昆布、鰹節、椎茸などからとられる「だし」(旨味成分)を通じて、和食の価値、素晴らしさを世界にアピールし、改めて評価されたことは、日本人としてとても誇らしいことだと思いました。

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旨味を含めた基本5味については、歯学部の学生なら必ず生理学の講義を受け、歯科医師国家試験にも出題されるため詳しく勉強します。ところが、これまで辛味や渋味などについて学ぶことがありませんでした。いや、自ら学ぶ姿勢が欠けていただけかも・・・。


 まず、なんと辛味や渋味は「生理学的」には味ではないらしいです。
 では何なのでしょうか?

 辛味は、痛覚。渋味は、触覚なのです!

 辛味は、痛覚・触覚・温度感覚などを伝える神経から脳へと刺激が伝達されます。一方、渋味は口の中の粘膜に存在するタンパク質が、渋味成分と結合することで引きつった感覚を引きおこし、感じているのです。

 確かに辛いものを食べると、口の中が痛くなったり、渋いお茶を飲んだりしたときは少し舌が痺れたような感覚になった経験はあると思います。さらに、辛味が後からじわじわくるのは、辛味物質が何層にもなる上皮の細胞膜をゆっくり通り抜けていくため、感じるまでに時間がかかるせいであり、一度しみこんだ辛味成分は唾液で簡単に洗い流されないため、辛味は長く続くらしいです。いずれも感覚的には理解していたことですが、科学的根拠についてきちんと理解していなかったので、合点です。

 次に、「酒の味」について書かれている章では、日常、私たちは、「キレがいい」、「のどごしがいい」などと酒の味を評価していますが、それは一体どういうことなのか?また、どうして、「一杯目のビールが美味しいのにだんだん苦く感じるのか」などについて書かれています。お酒好きな方はぜひ一読されると面白いと思います。

 私たちは、基本5味のほか、辛味などの化学的刺激、温度などの物理的刺激なども含め、総合的に味覚を形成しています。ほかにも、嗅覚・視覚などの要素も重要で、味に深く関与しています。これらのバランスがとれているとき、人は美味しいと感じるため、きっと料理の上手な人、プロの料理人はこのバランス感覚が優れている人なのだと思います。

 僕も簡単な料理はしますが、センスがないため、「クックパッド」や、国分太一の「男子ごはん」といった料理番組のレシピを頼みに、調味料をしっかり計量して行います。当然レシピどおり作れば必ずうまくいくわけでもなく、本来はレシピに書かれていない部分までいろいろ推察して料理すべきなのでしょう。しかしそのレベルに至っていないので、とりあえず書かれていることを可能な限り忠実に再現することでいっぱいいっぱいです・・・。

 食事を本当に美味しく食べるには、料理の味つけだけでなく、誰と食べるか、どこで食べるかなどの環境因子、そして、美味しく食べられる口腔環境も大切です。

 歯科医師として、たくさんの人に美味しいものを楽しんで食べていただけるよう、これからも知識の習得と、技術の研鑽を続けていこうと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

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by nikikai_sapporo | 2014-04-01 00:33 | Dr.池田高明