歯科医師が綴るコラム集やお知らせなど【二期会歯科クリニック】札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F/TEL:011-251-2220


by nikikai_sapporo

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『歯科医も むし歯になるのか?』

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*昔まだ自分が若かった頃

 『歯医者さんはむし歯になるんですか?』

『むし歯になったらどうやって治すんですか?』

と患者さんに聞かれドキッとしたことがある。

*プロフェッショナルの自覚
 私はその道のプロであるからして完璧な歯磨きをしているので虫歯にはなったことがない。

・・・と見栄を張りたいところではありますが・・・。

実のところは恥ずかしながら・・・開業医になってからもそれなりに何本かはむし歯をつくってしまった体験がある・・というのが現実であります。

*学生時代

 歯学生になるまでは歯に関する専門知識も持ち合わせていなかったので、世間並みの口腔状態で少年時代からのむし歯も沢山あったことは誰もが理解できることである。

学生時代は実習と称してお互いの歯を削ったり詰めたり、(時にはお互いに削る必要のない健康な歯までも実習のために治療の実験台にしたこともあった)根管の治療をしたり歯を抜いたり・・担当の先生に合格の印をもらうまで、それはそれは今の何十倍もの時間を掛けて腕を磨いたものであります。

ある時・・・歯科医師免許をとって間もない助手の先生にむし歯の親知らずを削られて地獄の苦しみを味わったことがある。麻酔を何本もされたのに、顔が痺れるだけで削られるときは飛び上がるほど痛い。もう少し我慢して・・と言われ続け・・1時間も掛かってたった1本の歯を治療された。『このヤブ医者めっ!』と心のなかで叫びながら・・・   『俺はこんな医者には決してならないぞ!』と固く決意をした時のことを今でも覚えている。

*意外な展開

 で・・プロの世界に入ってからは自分自身それなりに丁寧な歯磨きをして、患者さんの手本になるように日々口腔衛生の維持に気を遣ってきたつもりである。

しかし・・初めて自分のむし歯を発見したのは、開業して5年目の事である。歯茎との境目に小さなむし歯を発見してしまったときは愕然とした。どうしようかと悩んだが・・プロゆえに自分で自分のむし歯を治療することにした。きっと夜な夜な飲み過ぎて寝る前の歯磨きを手抜きしたことが続いたことが原因と思われる。落ち込むプロのはずの自分を認識。

で、どうする?・・幸いミラーテクニックといって、患者さんの奥歯の見えにくいところは鏡に映った反転した像を見ながら治療することが日常の訓練で我々は出来ている。自分の歯を鏡で見ながらタービンで痛くないようにそっとむし歯を削りなんとか完璧な治療が出来た。しかし・・それで終わりではなかった。

*がっかりは続く

 さらに不幸は続いた・・・30年後には突然歯茎が腫れて咬むことが出来なくなってしまった。レントゲンと撮って精査すると、なんと奥歯の根の中にヒビが出来ていた。そうなった原因を考えると、思い当たることがあった。自分は硬いものを噛むのが大好きである。噛むと気持ちが満足して落ち着くのである(たぶん動物的本能)。とりわけスルメは大好物で利き顎の左でばかり噛んでいたのである(多くの人は利き腕があるように、噛むときに利き顎がある場合があり、右と左で噛んで食べるのでは美味しさが違うという)。

さて、こんどは本当に困ってしまった、自分では治すことは不可能である。しかたなく同僚の先生に抜歯をお願いした。その後、奥歯が一本無いだけで食事がなんと味気なくなってしまうことかという現実を体験した。上下の顎で28本の歯があるのだが、その一番奥の歯がひとつ欠けただけで食事時がつまらなくなってしまうのである。その欠損をどう修復するかで更に思い悩んでしまった。昔であれば前の歯を2本削って歯をつないで被せる方法が一般的であった。最近になってからは歯を削らずに、抜いた歯の顎骨に直接チタンの土台を打ち込んで歯を造るインプラント治療が開発され確立されている。

*初体験

 自分はその専門ではないので、未体験でやや怖い気もしたが同僚にインプラント手術をお願いした。顎に麻酔をして30分ほどで手術が終わり、数ヶ月待ち土台が安定したところで人工歯を装着した。

その後、なんと食事の快適なことか、つい微笑んでしまうほどであった。大好きなスルメも以前のように何の違和感もなく平気で噛める(主治医にはいい気になって噛みすぎないように注意されてはいるのだが・・)。天然の歯を取り戻した気分で左噛みの癖がまた戻ってしまった。

*8020知ってますか?

 8020という標語がある。QOLを維持するために80歳になっても20本以上の自分の歯を残そうという運動標語である。最近になって8020を達成している患者さんがずいぶん増えてきているのが実感できる。それぞれの個性や健康状態にもよるが、毎日のハミガキ習慣と定期的な健診が大切だと思う次第である。小生も還暦を過ぎたので、どんなに注意しても加齢と共にだんだん歯茎や歯自体も老化してくることは避けられないことである。この先更なるトラブルにまた遭遇するのであろうけれども、なるべく美味しく食べられるように怠惰にならずに適正な口腔のメンテナンスに努めていきたいと思っている。

*私のハミガキ

 最後に参考まで小生の日常の口腔ケアを紹介する。(1日2回、毎回10分を費やしてハミガキ、他にも食後は簡単な清掃。ハミガキ剤には特にこだわりはない。これだけやっても完璧ではないという例として理解いただきたい)

超音波電動歯ブラシ

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ジェット水流による歯間清掃

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歯間ブラシ

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デンタルフロス

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by nikikai_sapporo | 2013-05-11 20:17