歯科医師が綴るコラム集やお知らせなど【二期会歯科クリニック】札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F/TEL:011-251-2220


by nikikai_sapporo

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「日常診療のひとコマ」

ある日麻酔をかけての治療中・・・・

歯医者さん:「もし痛かったら手をあげてくださいねー。」
(患者さん、手を挙げる)
歯医者さん:「ちょっと我慢してねー。」
患者さん :「じゃー、なんのために手を挙げたのさー」(心の声)
   
こんな経験ありませんか?

 今回は麻酔にまつわるお話です。といっても難しい学問的なことは抜きにして、私たちがどのように考えているかを少しお話したいと思います。

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 歯医者さんは一日に少なくても3~4回ぐらいは麻酔を使います。1年でいうと1000回近く麻酔をする計算になります。これだけやると「この年齢で、この場所に、こういう処置をするときはこれぐらいの麻 酔の強さで大丈夫かな。」っていうのがだいたいわかります。理想的な麻酔というのは、なるべく少ない量でしっかり痛みをとる、ということなのです。必要以上に麻酔をすれば、治療後の麻痺も長時間に及びます し、歯茎が痛い、噛むと痛いといった症状が出ることもあります。しかし、この“だいたいこれぐらい”の基準を大きく超えて効きづらい場合があります。

それは―
・治療する歯にすでに強い痛みなどの炎症がある時。
・歯のまわりに膿がたまっているとき。
・歯の周りの骨の厚みや密度が予測以上で麻酔薬が歯の根っこまで浸透しづらい時(特に下顎の奥歯)。などです。こんなとき麻酔をしたのに治療が痛いという現象が起きるわけです。

こうなったら歯医者さんはどうするでしょうか?

 第一の選択は“より強く麻酔をする”です。量を追加したり、より効く場所に打ちます。これで、1回目で効いていなくても効かせられることが多いです。

それでも、効かなかった場合どうするか?
 次に考える選択肢は
①さらに麻酔を追加する。
②今日は治療を中断し、後日再度麻酔をして治療をする。
③ちょっと我慢してもらって治療を終える。

 さらに追加することで痛みをとることができると考えれば①を選ぶでしょう。これ以上追加しても効く見込みが少ないと考えれば②か③を選ぶことになります。上述のように年に1000回近くも麻酔をしていると、今日はいくら打っても効かないな、というのもおおよそわかりま す。そういうときが1000回のうち数回はあるんです。

 今日無理に治療を進める必要のない時には②を選び、また後日でもいいかもしれません。しかし、痛くて来ている患者さんで、今日治療を進めないとその痛みをとってあげることができないとか、後日また麻酔を打って痛い思いをさせるぐらいなら、今ちょっと我慢してもらったほう が明らかに患者さんが楽だろう、というときは、③を選ぶことになりま す。ここで冒頭のセリフ「ちょっと我慢してね。」が出てくるわけです。

 こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、実は歯科で行う一般的な浸潤麻酔という方法は技術的にそれほど難しいものではないんです。この浸潤麻酔が効くかどうかは技術的なことよりも、麻酔を打つ歯の場所や状況によるところが大きいのです。

患者さんに痛い思いをさせたいと思っている歯医者さんは1人もいないと思います。痛みを我慢してもらっているときはとても申し訳ないと思いながら治療をしています。

 面倒だから我慢してもらっているわけでもないですし、もちろん麻酔がもったいないからというわけでもありません。できる限りのことはするので痛い時は遠慮せずに痛いと言ってください。ただ、それでも「我慢してね。」と言われた時は、その場の状況を考え判断した上での「我慢してね。」なんだということをわかってもらえれば幸いです。

では、今回はこれで。

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医療法人 二期会歯科クリニック / 矯正歯科 小児歯科 歯科口腔外科 審美歯科
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by nikikai_sapporo | 2008-10-06 13:07 | Dr.木下 篤