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by nikikai_sapporo

コラム・2月号(第88回)/Dr.池田高明 【二期会歯科クリニック・札幌市】

「深海」 
 
 先月、円山動物園での深海魚の展示会に行ってきました。(動物園でなぜ深海魚?という思いをもちつつ)

 もともと深海に対し興味があり、本を数冊持っていたので、写真でしか見たことがなかった深海生物を直接見ることができ、感動しました。
 
 早速、門から入ると、冷凍のダイオウイカの展示が・・・

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 通常のイカのサイズを超絶したスケールです。

 このダイオウイカは胴体部が約2メートルにもなる巨大イカです。こんなにも巨大なイカが水中を浮遊できるのは、体に塩化アンモニウムを含んだ体液を大量に含んでいるからです。ちなみに、その味は、アンモニア臭が強いうえ、とてもしょっぱく不味いらしいです。よく思うのですが最初に何かを食べてみた人ってすごい勇気ですよね。僕なんかは、珍しい果物なども食べたいとは思わないタイプなので、このイカは、見た目から美味しくなさそうですし、よくも臭いのに食べたなと思います・・・。
 
 こうした巨大生物が存在する深海とは、水深200mよりも深い領域を示し、そこは太陽光も届かず、高圧かつ低温であり、本来生物にとってはとても過酷な環境です。
 そこで生きる深海魚というと、一般にグロテスクな形をしているというイメージがあります。しかし、どうしてそのような形態をしているのかという点に着目すると、それぞれの形態は非常に合理的に深海独自の環境にマッチしています。また、衝撃的な生態のものが数多く存在します。

 たとえば、深海にいる生物で、冬の鍋で馴染みのあるアンコウも、実は面白い繁殖様式をもっている種類がいます。
 オニアンコウは、2センチほどのオスが約10センチのメスに出会うと、鉤状の歯でメスの体にかじりついて、離れなくなります。オスの内蔵はやがて収縮してメスの血管とつながります。まさに一体化するのです。オスは繁殖の役目を終えると、メスに吸収され、最後はメスの体のイボのような存在になります。まさに究極の愛の形?なのかもしれません。これも、両者が離れず成熟することで受精の確率を高めるためと考えられており、合理的とはいえ、なんだかオスは切ないですね・・・。

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 フクロウナギは、人間とは逆で顎の骨が巨大で、頭が顎の骨の上に乗っかっている形をしています。不要なものは切り詰めて口の大きさだけに特化しています。これも深海は非常に獲物が少ないので、大きな口を開けて大量の海水を口に入れて、微生物を食べるためです。同じ、地球上の生物とは思えない姿です。

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 ホウライエソは、大きな口に鋭い牙をもっています。歯は噛み切ったり、噛み砕くためだけでなくとらえた獲物を逃さないためです。頭を上に跳ね上げ、下顎を突出させ歯で獲物をとらえて、そのまま丸呑みします。呑み込む際は、顎を脱臼させています。地上でいうと、蛇に似た摂食方法ということでしょうか。人間の場合、大口開けて食べるな、と言われるくらいなのに・・・。

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 これらの生物の顎関節の構造がどうなっているのかが気になり、骨格標本などないか探してみたのですが、今回残念ながら、見つけることができませんでした。(もっと時間をかければあったかもしれませんが。)やはり深海魚は、目的の生物を生きた状態で捕獲、観察したり、標本化することが困難な種類が多く、謎に満ちています。
 今回、深海の生物の多様性に注目することで、生命にとって「食」がいかに大切かを再認識させられました。それと共に、そこに関わる仕事をしていることの重要性、責任を感じ、さらに臨床を頑張っていこうと思いました。

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by nikikai_sapporo | 2015-02-11 14:02 | Dr.池田高明