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歯科医師が綴るコラム集やお知らせなど【二期会歯科クリニック】札幌市中央区北3条西2丁目 NC北専北3条ビル8F/TEL:011-251-2220


by nikikai_sapporo

コラム・1月号(第63回)/事務局・石川 【二期会歯科クリニック・札幌市中央区】

『上毛かるた』

あけましておめでとうございます。
あっという間に一年が過ぎました。
今年も一月のブログを担当させていただく事務局の石川です。
 毎年の事ですが3月は確定申告の時期です。昨年、家族全員あわせて10万円以上の医療費がかった方は今から全員の「医療費の領収書」「診療所への交通費」等を整理して「医療費控除」の手続きをしてください。詳しくは2007年12月の「ブログ」を参考にしてください。
さてさて、ここ数回はまったく個人的な「郷土・群馬」の宣伝をさせていただいています。先日、全国各地の「特色」を取り上げるTV番組を見ていたら、「群馬県」の回で「上毛(じょうもう)かるた」を紹介していました。似たような番組でも群馬の回では必ずといっていいほどこのかるたが取り上げられています。そこでは だいたい「群馬の子供たちは、かるたの読み札をほぼ暗記している。」と放送されています。普通こういうTV番組は大げさなことが多いのですが、18歳まで群馬で過ごした私もすべて暗記していました。半世紀近くたった今でもほとんど覚えています。現在も三人一組の県競技大会が毎年行われ、群馬県の子供たちは練習に励んでいるそうです。今回はこの「上毛かるた」について書いてみます。

上毛かるた(じょうもうかるた)は、1947年(昭和22年)に発行された群馬県の郷土かるたです。
群馬県の土地、偉人、出来事を読んでいます(全44枚)。

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かるたの箱を開けると「上毛かるたの遊び方」というリーフレットが入っています。そこには競技のルールがかかれている他、「目的」として「知らず知らずのうちに郷土への知識を深め、郷土への愛情を高めていきたい」と書かれ、また「注意」として「勝敗にばかりこだわらずに、礼儀正しく正々堂々と競技をして、お互いの品性を高めるように、楽しく遊びましょう」とも書かれています。つまり、遊びを通じた「教育」なのです。

 まずは「上毛(じょうもう)とは?」からです。

 はるか昔の古墳時代までさかのぼりますが、その当時、群馬・栃木のあたりは「毛野氏(けぬうじ)」という豪族が支配し毛野国(けのくに)と呼ばれていました。その後西側を上毛野国(かみつけのくに)のちに「地名は二文字に統一」という政令により上野国(こうづけのくに)となりました。東側は下毛野国(しもつけのくに)のちに下野国(しもつけのくに)と言われていたそうです。これらは現在の群馬県と栃木県の範囲とほぼ同じだったようです。
群馬県高崎市と栃木県小山市を結ぶJRのローカル線がありますが、この線が「両毛(りょうもう)線」と呼ばれているのは「両方の毛野国を結ぶ」ところからきているそうです。
そうした歴史的経緯があり群馬には今でも「上毛」「両毛」とつく名前のものがたくさんあります。北海道に北海道新聞があるように群馬県にも地方紙があります。その名も上毛新聞といいます。2008年に「クライマーズハイ」という映画が発表されました。1985年8月に起こった日本航空123便墜落事件を題材にした映画です。その映画に出てくる「北関東新聞社」がこの上毛新聞社です。いま東京スカイツリーで脚光を浴びている東武鉄道で浅草から栃木県足利市を経由して我が故郷桐生にむかう特急列車の名前も「りょうもう号」です。

もちろん「上毛かるた」でも、この「毛野国」の事は読まれています。

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 群馬県内には大小合わせて一万基を越す古墳があります。その数、規模からして古墳時代には全国的に見ても有力な地域であったようです。昨年の暮れには、「渋川市(伊香保温泉の近くです)近郊の『金井東裏遺跡』から『よろいを着た人骨』が日本で初めて発見された」との報道もありました。前方後円墳は横から見ると塚が二つ連なっているように見えたので「二子塚」といわれています。

 さて、本題に戻ります。
 本当は全部紹介して群馬の良いところ知ってほしいのですが、それをしたら一冊の本になってしまうので一部だけ紹介させていただきます。じつは、群馬ではこの「一冊の本」がたくさん出ているのです。

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「い」
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 上毛かるたの基本は「いろはかるた」です。したがって当然「イから始まります」。
一番の敬意をこめこの読み札はピンク色になっています。

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メインストリートは石段です。

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こんな昔ながらの風情の旅館もあります。

「に」
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 最近、世界遺産登録を目指している「富岡製糸場」は富岡市にあります。明治5年に官制工場として設立され、当初はフランス人技師の指導の下に建設、運営されました。したがってそこで働く女工たちは「女工哀史」に出てくるような悲惨なものではなく、士族の子女が多かったそうです。

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 昨年6月に初めて行ってみたのですが、北海道で言えば余市の「ニッカ」みたいな雰囲気でした。

「へ」
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 キリスト教徒でもあり、同志社大学を設立した新島襄も郷土の偉人の一人です。安中(あんなか)の武士の家で生まれたそうです。今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公の夫です。ドラマではオダギリジョーさんが演じるようです。

「つ」
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 群馬県の形は鶴が飛んでいる姿に似ていると言われています。もちろんこの札が最強の「役札」です。

「ち」
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 私が子供だった頃と唯一変わっている札です。200万は人口を表しています。当然、時代とともに変わってきます。私の頃は「160万」でした。以前は頻繁にこの数字は変わったようですが、平成5年以降変わっていないようです。どの地方もそうであるように最近はなかなか人口が増えないようです。(2012/11現在203万人) 

「く」
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 北海道と同じように群馬も火山と温泉がたくさんあります。伊香保温泉と並び有名なのがこの草津温泉です。兵庫県の有馬温泉、岐阜県の下呂温泉と並び日本三名泉にあげられています。江戸時代の「温泉番付」では東の大関(当時の最高位)に選ばれています。「♪ 草津よいとこ ♪ 一度はおいで・・♪ドッコイショ♪」という湯もみ歌でも有名です。私が群馬県民であった当時(50年前)は今と違って庶民の行動範囲は限られていました。したがってほとんどの子供たちは県内の「名所」を訪ねることもなく、せいぜい「修学旅行」で数カ所くらい行く程度です。

その修学旅行先も上毛かるたによまれています。

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*小学2年生・・・太田市

太田市(富士重工の企業城下町です)の金山のふもとにある大光院というお寺は呑龍様と呼ばれ「子育て」にご利益あるそうです。

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呑龍様の境内です。
                
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*小学3年生・・・高崎市


戦死した兵士の慰霊のために高崎観音山の頂に昭和11年に完成した真っ白な観音様は(高さ41.8m)高崎市のシンボルになりました。

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左の奥にうっすらと観音様が写っています。

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*小学4年生・・・榛名山

上毛三山のひとつ榛名山:当時、「キャンプ村」はまだ珍しく、新しいレジャー形態のひとつとして読まれたのでしょう。

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外輪山に囲まれた湖があります。右手後ろは「榛名富士」です。

 このかるたのおかげで群馬の子供たちは県内の名所の(その由来はわからなくても)名前だけは知ることができました。まさに遊びを通じた「郷土教育」です。還暦過ぎた今でもこうして「群馬が気になる」のも、その「教育」の成果なのかもしれません。

 私もいつか、このかるたに読まれた「名所44カ所」をカメラ片手に歩いてみたいなと思っています。

 「おまけ」の番外編です。

「よ」
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 40年前に学生として初めて北海道に来ました。その時友人から「北海道には『下の句かるた(板かるた)』というものがある」ということを教えてもらいました。その時、彼が「男はみんな絶対にとりたい札がある。それは『乙女の姿 しばしとどめむ』の札だ」と言っていました。「乙女」という単語だけで(男子校出身の)彼はときめいたようです。
 それと似た札がこれです。
小学校高学年になると「異性」を意識するようになります。男の子は競ってこの札を取ろうとしました。理由は・・・・・です。もちろん今の子たちはそんなことは意識しないとは思いますが・・・。

 古き良き時代です。

写真のピントが合っていないのは、その当時の「ときめき」かもしれません。

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by nikikai_sapporo | 2013-01-11 12:49